2017年4月23日日曜日

MSLとMRの違い-仕事内容と必要な能力-

 今回は違いが分かりづらいMSLとMRについて、どのように仕事内容が異なっているのか、どのような能力が必要なのかについてご紹介します。


MSLMRの仕事内容の違い】
最大の違いは、“売上目標があるか否か”です。
MRは各病院と各地域に、各製品での売上目標があり、MRの評価は売上目標をどれだけ達成したかで決まります。一方で、MSLには売上目標はありません。売上目標はないのですが、当然、会社の一員として、会社に対して利益をもたらす行動を取らなければなりません。MSLの評価については、MRの評価のように定量目標という成果の分かりやすい指標はなく、どうしても成果の分かりづらい定性目標が指標となってしまいます。では、MSLがどのように評価されるかというと、“ストレッチ目標”を用いられることが多いようです。“ストレッチ目標”とは、努力しなければ達成できない目標のことです。自分と上司の合意のもと、ストレッチ目標を設定し、その目標を達成するために、途中のチェックポイントを設けて、進捗を管理します。評価は、ストレッチ目標の難易度を考慮した上で、ストレッチ目標をどれだけ達成できたかで決まります。
MSLの仕事内容については、以前に書いた記事(MSL職とは何か)をご覧ください。


MSLMRの必要な能力の相違点】
 現時点で私が考えている相違点は下記の通りです。ただし仕事を進めていく中で考えが変わる可能性もありますので、そのときは加筆修正します。

MSLで必要な能力”=“専門特化MRで必要な能力”+“全社的視点”

まずMRとの共通の項目である“専門特化MRで必要な能力”についてです。MSLKOL (Key Opinion Leader)の先生と面談を行うので、専門家と話をするための専門知識、相手の発言の意図を正確に理解し、相手がこちらの発言の意図を正確に理解できるように伝達し、関係を構築していくためのコミュニケーション能力が必要です。
 次にMRではさほど必要ないが、MSLで必要だと考えられる項目である“全社的視点”についてです。MRは、営業部門からの視点で十分であるのに対し、一方で、MSLでは、メディカル戦略の策定や、関連部署との折衝の業務が含まれているので、“全社的視点”が必要です。“全社的視点”を持つために具体的に必要な能力は、他部署の理解ファイナンスやマーケティング等のビジネスパーソンとしての基礎業界知識等です。“他部署の理解”とは、他部署の組織内での役割を理解するということで、役割を理解することで、プロジェクトを進めていく上で、どの部署と連携すれば良いかが分かります。“ビジネスパーソンとしての基礎”と“業界知識”を身に付けることで、自社と他社ともに知ることができ、メディカル戦略の策定に役立ちます。

 他にも身に付けるべき能力は多々あると思います。ただし、ひとつ、私たちMSLが気を付けなければならないことがあります。それは、MSLが専門特化MRの単なる看板の掛替にならないように、常にMRとの差別化を考えていく必要があるということです。科学知識だけではなく他分野についても常に学習していく“学習意欲”と、MRと差別化するために“頭を使い続ける”ことは、MSLにとって特に重要であると考えております。


MSLMRで仕事内容は異なりますが、必要な能力は近いです。異なるのは全社的視点が重視されるか否かです。MSLは医療現場と本社機能の間の立ち位置で活動し橋渡ししていると言えるかと思います。
 MSLで必要な能力については、私も試行錯誤が続いている状況ですので、もし何かご意見がありましたら、連絡をくださいますと非常に助かります。

2 件のコメント:

  1. 先日情報提供をして頂きました東○文○病院の医師です。大変質の高いプレゼンテーションをありがとうございました。特に他製品との違いとそれぞれの薬が適している患者像は、私が実感しているものに近くて、良く勉強されていらっしゃることが分かりました。
    これからも質の高い情報の提供をよろしくお願い申し上げます。

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    1. ブログへのコメントありがとうございます。そう言って頂けるとプレゼンの準備に力を入れた甲斐がありました。引き続き、先生のお役に立てるように、また、その先の患者さんのお役に立てるように、質の高い情報提供を心掛けたいと考えております。今度とも宜しくお願い致します。

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