2017年7月23日日曜日

資格「医療経営士」とは何か

 最近では、私立病院はもちろんのこと、国公立病院でも、経営環境や医療提供体制の維持が厳しい状況下にありますので、経営課題に取り組み解決していくことが重要となっています。そのため、医学にも経営にも理解のある人材が医療機関に必要となっています。しかしながら、医療機関には、医学の道を究めている医療関係者は多くいますが、医学に加えて経営を学んだ人材は多くはありません。そこで「医療経営士」という資格は、医療機関をマネジメントする上で必要な医療および経営に関する知識と、経営課題を解決する能力を持っている人材であることを担保する資格となっています。

 「医療経営士」の資格は、医療機関に勤務している人だけではなく、製薬会社の社員など、医療機関とのやり取りが必要な人にも役立つと考えられます。例えば、医薬品の営業にも今後は役立ってくるのではないかと考えています。現在の営業は、各々の医者を対象としていますが、今後の営業は、院長や事務長といったマネジメント層や、共同購入組織が対象になってくる傾向があると予想されます。というのも、地域医療連携推進法人制度により、共同購入や共同交渉が進み始め、 “フォーミュラリー”(医療機関や地域ごとに策定される医薬品の使用指針)が導入され始める可能性があるからです。もしマネジメント層との交渉が必要になってくるならば、「医療経営士」の勉強を行い、病院経営という共通の土台の知識を持っていた方が良いのではないかと考えています。実際に、国内最大手の武田薬品では、管理職には「医療経営士」の資格取得を義務付けていますので、医療機関のマネジメント層への営業力の底上げを狙っているのではないでしょうか。
 
 管理職の社員に資格取得を義務化する会社があるように、受験生の大半が管理職の年代である40-50歳代でした。私と同じ20代の受験生は周りを見渡す限りは見つかりませんでした。
試験内容ですが、最新の医療行政について問う問題がメインで、中には簡単な医学的な知識を問う問題もありました。試験勉強では、公式の教科書だけの内容ではなく、何かしらの手段で、最新の医療行政の知識を得る必要であると感じました。変化の激しい医療行政ですから、最新の情報を得る手段を身に付けていると試験に受かりやすいというのは、良い試験の設計であると考えています。最新の医療行政を学ぶのに、私は「医薬経済」という雑誌と「日刊薬業」というサイトを用いていますが、他にも種々の情報サイト(エムスリーなど)がありますので、自分に合ったものを見つけると良いかと思います。
 試験の難易度は高いと感じました。合格率は30-40%くらいです。しっかりと準備をして臨みましたが、試験後に受かったか確信を持てなかったです。なんとか合格はできていましたが、まだまだ勉強が足りないと実感しました。



ひとまず「医療経営士」の学習は一段落付きました。次は国家資格である「中小企業診断士」の学習を1,2年くらいかけて少しずつ進めて、一般的なビジネスの知識を教養として習得していきたいと考えています。また学習状況についてブログで報告することがあるかもしれません。

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