2019年7月14日日曜日

人生100年時代の生き方

最近のニュースで「老後2000万円問題」がよく話題になっている。日本は少子高齢化で、支える側が減少することにより、「将来は年金がさほど貰えなくて生活が苦しくなるんじゃないか」といった、年金などに対する漠然とした不安が社会に広がっている。私の周りでも、20代前半にも関わらず、すでに老後不安を抱えている後輩の話を聞くことがあります。そんな後輩たちへのアドバイスを文章にまとめます。

 結論から言いますと、“《安心して》《楽しく》過ごす”ことが今後の重要なテーマになります。

“《安心して》過ごす”には、日本の社会保障の基礎である「自助」「共助」「公助」を理解する必要があります。それぞれの意味は下記の通りです。

  • 「自助」とは、自分の力で自分を助けるという意味で、個人の貯蓄や投資などのことです。
  • 「共助」とは、コミュニティの構成員同士が互いに助け合うという意味で、年金や健康保険などのことです。
  • 「公助」とは、公的機関が援助するという意味で、生活保護などのことです。

 日本の社会保障は、「自助」が厳しければ「共助」に頼り、「共助」でも厳しければ「公助」に頼るという流れです。例えば、突然の病気や怪我など、どうしても「自助」だけでは厳しい場面は、「共助」「公助」でリスクを軽減するといった仕組みです。なので、なんでもかんでも自力で頑張りたがる人もいますが、自分だけで厳しいならば、「共助」として、両親に収入を頼ったり、友人に仕事を紹介してもらったり、思う存分に人に頼れば良いのです。そして「共助」として頼れる人がいないならば、憲法で「全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」のだから、「公助」として、思う存分に国に頼れば良いのです。それこそが日本の社会保障です。
 とは言うものの「将来は年金がさほど貰えなくて生活が苦しくなるんじゃないか?」と思う方もいらっしゃると思います。確かに、私たちの世代は、年金の総受取り額が総支払い額より少なくなり、一見すると損するように感じられます。しかしながら、10年後はどれだけ技術が進歩して、同じコストでどれだけ高いサービスを受けられているでしょうか。例えば、10年前を考えてみると、コーヒーは、その辺の喫茶店で飲んでた金額で、スタバやコンビニの高品質なものが飲めます。10年前のガラケーと近い金額で、今では格安SIMスマホが使えるようになっています。つまり、年金を受取る頃には、技術が進歩しサービスが向上することで、年金が減ったとしても今現在と同等以上のサービスを受けられるはずです。
 より余裕のある生活をしたいならば、個人の努力としては、①収入源があれば年金に依存しないで済むのでできるだけ長く働く、②時間が味方になって増える見込みが高い金融資産への投資があります。国や企業の努力としては、①北欧のような自助へ促す徹底的な就労支援、②少ない人的リソースで済むようにAI化や自動化などによる生産性向上が必要になります。
 また「老後に向けて2000万円を自助で貯められる人は多くないんじゃないの?」と思う方もいらっしゃると思います。しかしながら金融庁の報告書をよく見てみると、家庭の毎月の収支は「5万円の赤字」となっていますが、出費のうち8万円は生活に直接関連しない出費(旅行代や孫への小遣いなど)なので、実質は「3万円の黒字」です。なので平均的な家庭ならば、年金だけでも問題なく生活はできます。

 このように最低限の生活は確保されていて、さらにプラスのお金を稼ぐこともできます。しかし、お金があるからと言って幸せになれるわけではなく、“《楽しく》過ごす”ことが大事になります。お金のことに気を取られてしまって意外と抜け落ちる視点なのではないかと思います。
“《楽しく》過ごす”にはどうすればよいかというと、“楽しいことが見つかるように色々とチャレンジする”ことが重要です。好き嫌いせずに、とりあえず試してみるのが良いです。今の私を、高校生の自分が見たら、読書が趣味なのには驚くだろうし、大学生の自分が見たら、執筆が趣味なのに意外に思うだろうし、大学院生の自分が見たら、ライトノベルを読んでることは信じられないと思います。楽しいことが増えています。
 また現役世代であれば、理想は“仕事=趣味”となっていることかと思います。そのためには①趣味が仕事になるか、②仕事が趣味になるかが必要です。趣味が仕事になっている例としては、子供のなりたい職業上位であるYoutuberなどがあります。趣味にとことんのめり込んだ結果、ビジネスとして成立しています。ホリエモンいわく「情報が溢れる世の中では、行動した者が勝つ(行動できる者は少ないので差別化できる)」というのは納得で、彼らは実際に行動している者たちでしょう。また仕事が趣味になっている例としては、副業などで様々な仕事を経験することで、その中から自分に合う仕事が見つかるのだと思います。ですので、副業が普及してきている世の流れは好ましいものだと考えます。
 “楽しいこと”は人それぞれですので、とりあえず試してみたら、意外な趣味ができるかもしれません。

これまで述べてきた通り、今後の生き方としては、“《安心して》《楽しく》過ごす”ことは重要です。“安心”は意外と日本では確保されていますので、人それぞれの“楽しいこと”を、色々と試してみるのが良いのだと思います。

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